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従来の「お世話型の介護」から
「自立を支援する介護」
へと
介護の在り方が変わろうとしています。
「本人が望む限り、介護が要らない状態までの回復を目指す。」
それが、福祉の里が取り組む
科学的介護 です。

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社長あいさつ

2018年末、『自立支援介護理論(科学的介護)』の
話を初めて聞いた時の衝撃は今も鮮明です。

介護保険が自立支援をうたっているにも関わらず、
ご利用者の自立度・認知機能の低下をただ見守るだけの
もどかしい日々に光が差した瞬間でした。

以来弊社は、この介護方法の実践に大きく舵を切り、
施設系サービスを中心に、ケアマネや訪問介護などの
在宅系サービスとも連携し成果を出し始めています。

私たちはこれからもご利用者の尊厳を守り、
自立を最大限に支援する『科学的介護』に真剣に
取り組んでいく決意です。

福祉の里の
「科学的介護」

2019年4月より介護コンサル指導のもと、国際医療福祉大学大学院 竹内孝仁教授が提唱する自立支援介護理論(以下、竹内理論)に基づき、エビデンスに基づいた科学的介護を実践しています。竹内理論の介護とは、1日1500㏄の水分摂取、1日1500kcalの噛める食事での栄養摂取、2kmの歩行、下剤を使用しない生理的・規則的な排便の4つの基本ケアを徹底して行い、体調を整え、活動性を上げることで体力を回復し、意欲や活力を取り戻すことを基本精神とする自立を支える介護です。

当社では、利用者様の「身体的・心理的・社会的な再自立」を目指し、認知機能や歩行能力の回復に取り組んでいます。

科学的介護全体像

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事例検討会

「水分」「食事」「運動」「排便」の4項目は、活動性を高めるうえでとても重要です。そして互いに強く影響しあっています。水分が不足すると体が動かなくなり、食欲を失い、便秘を引き起こします。水分不足の状態のままで歩行練習を行っても成果は上がりませんし、下剤を飲むだけでは便秘は改善しません。4つの基本ケアを徹底することではじめて、その効果が期待できます。

当社の施設系サービスでは、職員研修を毎月行い、定期的に事例発表会を開催しています。水分、食事、歩行、排泄を細かく記録し、その方に適した介護を職員全体で話し合っています。

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ショートステイでの取り組み事例

実施年:2022年
連携職種:ケアマネジャー、訪問介護、福祉用具、理学療法士

76歳 / 女性 / 要介護5 / 既往歴:脳出血後遺症・右片麻痺(尖足気味)
  • 持病の治療で入退院を繰り返す
  • リクライニング式車いす使用
  • 排泄はオムツ使用、寝たきり状態

ご本人の「子供たちの負担を大きくしたくない」
「トイレで排泄したい」という強い意向

全体目標 1500㏄の水分摂取、歩行能力の回復、トイレでの排泄
ステップ 歩行 リクライニング式車いす→自走式車いす→キャスター付き歩行→4点杖歩行
排泄 おむつ→リハビリパンツ→トイレでの排泄
全体目標
1500㏄の水分摂取、歩行能力の回復、トイレでの排泄
ステップ:歩行
リクライニング式車いす→自走式車いす→キャスター付き歩行→4点杖歩行
ステップ:排泄
おむつ→リハビリパンツ→トイレでの排泄
取組前 取組後
移動 リクライニング式車椅子 4点杖
排泄 終日オムツ 布パンツ・小パット
食事 ベッド上 ダイニング
その他 3モーター
エアマット
2モーター
通常マット
介護度 要介護5 要介護3
サービス 訪問介護、訪問看護、
訪問入浴、福祉用具
ショートステイ、
福祉用具
水分量の変化
水分量の変化
変化した
ご本人の状態
  • 四点杖を使用し、軽介助で歩行ができるようになった。
  • 離床時間も増え、一日中ベッドで生活する事が無くなった。
  • 要介護5から要介護3へ変更になった。
  • 「お父さんの喜寿の祝いで、家族みんなで外食したい」というご本人の希望を叶えることができた。

施設系サービス全体での取り組み実施ケース

科学的介護開始から1年後の取組実施ケース

期間:2020年6月〜2022年5月

改善率 実施ケース数 改善ケース数 変化なし
小規模多機能型居宅介護 遊楽苑徳重 85.7% 7 6 1
小規模多機能型居宅介護 遊楽苑西枇杷島 50.0% 8 4 4
グループホーム 遊楽苑師勝 90.9% 11 10 1
グループホーム 遊楽苑西春 100.0% 8 8 0
ショートステイ 遊楽苑師勝 100.0% 9 9 0
ショートステイ 遊楽苑奥町 90.0% 10 9 1
その他:有料老人ホーム 100.0% 9 9 0
その他:ショートステイ 62.5% 8 5 3
合計 85.7% 70 60 10
小規模多機能型居宅介護 遊楽苑徳重 改善率:85.7%
実施ケース数:7
改善ケース数:6
変化なし:1
小規模多機能型居宅介護 遊楽苑西枇杷島 改善率:50.0%
実施ケース数:8
改善ケース数:4
変化なし:4
グループホーム 遊楽苑師勝 改善率:90.9%
実施ケース数:11
改善ケース数:10
変化なし:1
グループホーム 遊楽苑西春 改善率:100.0%
実施ケース数:8
改善ケース数:8
変化なし:0
ショートステイ 遊楽苑師勝 改善率:100.0%
実施ケース数:9
改善ケース数:9
変化なし:0
ショートステイ 遊楽苑奥町 改善率:90.0%
実施ケース数:10
改善ケース数:9
変化なし:1
その他:有料老人ホーム 改善率:100.0%
実施ケース数:9
改善ケース数:9
変化なし:0
その他:ショートステイ 改善率:62.5%
実施ケース数:8
改善ケース数:5
変化なし:3
合計 改善率:85.7%
実施ケース数:70
改善ケース数:60
変化なし:10

※入院、施設入所等含む

改善項目内訳

改善項目 改善数
認知症 31
排便 23
排尿 13
歩行 7
トイレ動作 4
外出可能 2
夜間良眠 1
認知症意識レベル向上 1
IADL 1

※1ケースに複数の改善項目あり

科学的介護開始から1年後の取組実施ケース

科学的介護への取り組みとスタッフへの影響

科学的介護についてのWebアンケートを施設スタッフに対して実施
実施日:2022年8月4日~2022年8月14日
実施対象者:施設全スタッフ ※厨房含む203名のうち87名から回答

今まで自分が抱いていた
“介護”のイメージは変わりましたか?
介護のイメージ
自身にとって、
どのようなメリットがありましたか?
向上心や働く意欲となった
42(55.3%)
仕事に自信ややりがいが生まれた
30(39.5%)
「こういう介護がしたかった」という
理想に近づいた
21(27.6%)
専門職としてのプライドが生まれた
21(27.6%)
その他
12(1.3%)

介護の質の向上

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モチベーションUP

科学的介護と地球環境問題

科学的介護の目標のひとつである「自らのコントロールで行う排便(オムツゼロ)」は、お客様のWell-being(総合的な幸福)の実現やスタッフのやりがいだけでなく、年々生産量・消費量が増加する、紙おむつのゴミ処理問題への取り組みにもつながります。

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